メンズスーツの小物:ネクタイの歴史
ビジネスマンのメンズスーツに欠かせないネクタイですが、その歴史はいつ頃から始まったのでしょうか。ネクタイの原形は、17世紀、クロアチアの兵士が首に巻いていた布が始まりだといわれています。その兵士の首に巻かれた布を、フランスのルイ14世が側近に尋ねたところ、勘違いした側近がクロアチア兵ですという意味で「クラバット」と答えたため、現在でもフランスではネクタイをクラバットと言っています。
そして、その後クラバットスタイルは一般に広まり、男性の正装スタイルに取り入れられるようになった歴史があります。クラバットの結び目は、イギリスで蝶ネクタイ、アスコットタイ、ダービー・タイへ発展し、アスコット競馬場での正装となっていきました。また、その頃に、現在のネクタイと同じ形のフォア・イン・ハンド・タイが登場しました。
フォア・イン・ハンドとは4頭立ての馬車のことで、御者の間でこのネクタイの形が使われたことから広まったという歴史があります。日本のネクタイの歴史は、アメリカから帰国したジョン万次郎が持ち込んだことが始まりだといわれています。その後、明治維新によって勧められた洋装スタイルによって、ネクタイの着用は官僚を中心として一般にも広まり、現在のビジネスマンの正装とでもいうメンズスーツにも欠かせないアイテムとなっています。