パーティの招待状を受け取ったらドレスコードがある、そんな場合には、どんなメンズスーツを着ていけばよいのでしょうか?
まず、ドレスコードとは服装の規範やきまりのことで、招待される側は、そのドレスコードに従うことがマナーです。ドレスコードがモーニングの正礼装であれば、モーニング三つ揃に立衿シャツ、礼装用ネクタイが基本です。タキシードの正礼装であれば、黒のタキシードスーツ、立衿ヒダ胸シャツ、黒の蝶ネクタイ、カマーバンドが組み合わせの基本です。
タキシードの略礼装であれば、正礼装の場合と同じか、又はそのうちの何点かを組み合わせることも可能です。ちなみにパーティ招待状にドレスコードがなく「平服で」と書いてあっても、平服で行くのは避けたいものです。メンズスーツもTPOに合わせて用意しておくと安心ですね。
メンズスーツを長持ちさせるには、日頃のちょっとした手入れが肝心です。メンズスーツの手入れは、「折り目正しく」が基本です。ウールは復元性があるので、ジャケットの型に近いハンガーにかけましょう。
とくにハンガーの肩先部分は厚みがあり、背中の丸みに沿った前にカーブしている形状のものがベストです。ハンガーを変えるだけで、かなり型崩れを防ぐことができます。パンツは専用のハンガーで、折り目に正しく沿ってかけてください。ポケットに物を入れたままの状態で長い間放置しておくと、型くずれの原因になります。また、たばこの灰や食べ物のかすなどを掃わずにおくと、虫食いやシミをつくります。
メンズスーツ着用後は、ブラッシングしてホコリを取り除き、乾燥させてから保管しましょう。乾燥した日には、クローゼットの空気の入れ替えをすることも、メンズスーツの手入れとして重要です。クリーニングに出すタイミングは、折り目がずれたり、雨に濡れたとき、汚れが目立つ時が目安です。クリーニングによって生地の風合いが変わる場合もあるので、上下一緒に信用のおけるクリーニング店に出すことが基本です。
メンズスーツに欠かせないネクタイですが、ノットと呼ばれるネクタイの結び方にはTPOやファッションに合わせて、様々なスタイルがあります。おもしろいことには、イギリスのケンブリッジ大学の研究員が行った研究によると、ネクタイの結び方を数学的にモデル化して調べたところ、全85通りの結び方が可能だということがわかったそうです。
その中でネクタイとしては個性的な結び方となるノンノットは、一般的なネクタイの結び方とは異なり、パーティや結婚式の二次会等の華やかな席で注目を集める結び方です。通常のネクタイの結び方ではシャツの裏側に隠れる部分を、ノンノットでは前後逆にし、まるで裏返しにしてしまったかのように敢えて見せる事で、個性的な結び方によるお洒落を演出できます。
メンズスーツをばっちり決めて、パーティーに参加するときなどに、ネクタイのノットを選んでみることは、おしゃれの上級テクニックといえるでしょう。ぜひいろいろ試してみて、メンズスーツに似合う、素敵なネクタイのノット選びをしてみてください。
ビジネスマンのメンズスーツに欠かせないネクタイですが、その歴史はいつ頃から始まったのでしょうか。ネクタイの原形は、17世紀、クロアチアの兵士が首に巻いていた布が始まりだといわれています。その兵士の首に巻かれた布を、フランスのルイ14世が側近に尋ねたところ、勘違いした側近がクロアチア兵ですという意味で「クラバット」と答えたため、現在でもフランスではネクタイをクラバットと言っています。
そして、その後クラバットスタイルは一般に広まり、男性の正装スタイルに取り入れられるようになった歴史があります。クラバットの結び目は、イギリスで蝶ネクタイ、アスコットタイ、ダービー・タイへ発展し、アスコット競馬場での正装となっていきました。また、その頃に、現在のネクタイと同じ形のフォア・イン・ハンド・タイが登場しました。
フォア・イン・ハンドとは4頭立ての馬車のことで、御者の間でこのネクタイの形が使われたことから広まったという歴史があります。日本のネクタイの歴史は、アメリカから帰国したジョン万次郎が持ち込んだことが始まりだといわれています。その後、明治維新によって勧められた洋装スタイルによって、ネクタイの着用は官僚を中心として一般にも広まり、現在のビジネスマンの正装とでもいうメンズスーツにも欠かせないアイテムとなっています。
スーツを如何に粋に着こなすか、又は出来る男に見えるためのスーツなど、メンズスーツを知る上で役立つガイドブックの紹介をしましょう。小学館から出ている「紳士のブランド」は流行に左右されないメンズスーツの定番商品が一目でわかるブランド図鑑です。同じく小学館から出ている「紳士のブランド もちもののものさし」は、ブランドや商標に惑わされることなく、メンズスーツをよく知り、選ぶ上でビジネスマン必見の指南書となっています。
TAC出版から出ている「COLOR RULES ビジネススーツを着こなす」は、スーツを着こなすビジネスマンの為の実践的な解説書です。このようなガイドブックを参考に確かな目を育て、一歩抜きん出たメンズスーツに身を包んでみてはいかがですか?